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ご挨拶

2024

2024年を迎えて

元旦の能登半島大地震で亡くなられた方のご冥福を心からお祈り申し上げます。また被災した皆様方には心からお見舞い申し上げるとともに、一日も早い回復、復旧、心の安寧が訪れますことをお祈りしたいと思います。

昨年は無事に還暦を迎え、人生二周目に突入いたしました。少しこれまでとは違うことにチャレンジしたい、と昨年の本稿に書きました。狙ったわけではないのですが、いくつかの新しいチャレンジが始まりましたのでそれについて記載したいと思います。

1は、昨年から医学域長、医学部長として医学部・大学運営に携わるようになったことです。先ずは本学の種々の優れた特徴を活かし、本学医学部のブランド力を強化することを目標としました。研究面では、例えば卓越研拠点としてのGLIAセンター整備、その活動拠点となる研究施設の整備(地域中核特色ある研究大学・施設整備事業)等がうまく動き出しましたように思います。しかし、教育、診療活動に於けるブランディング、さらに大学運営のシステム改革等では、目標の達成はおろか、日々の学部長の仕事にアップアップしたままで終わってしまいました。2年目は腰を据え、もっと小泉色が出る運営を確実に実行していきたいと思います。

2は、本年7月にNEURO2024を福岡で開催することです。本大会は日本神経科学学会、日本神経化学会、日本生物精神医学会の3学会の合同大会で、5千人規模の大会となります。大会のスローガンは「Transcending borders to the future(境界を越えて未来へ)」です。規模の大きさだけでなく、様々な分野から多様性に富んだ皆さんの参加が予想されています。本大会が、このスローガンのように分野、国境、年齢、立場を超え、新たな融合、新たな脳研究が始まる切っ掛けになればよいと思っています。先ずは多くの皆さんに参加していただき、楽しんでいただけるよう、全力で取り組みたいと思っております。

私が学内外の運営でアップアップしている間にも、薬理/GLIAセンターの教室員、学生の皆さんは着々と素晴らしい成果を出しています。繁冨先生はGLIAセンターの教授に就任しました。また齋藤先生の仕事はBrain誌に掲載されて非常に大きな評価を受けました。さらに第50回内藤記念コンファレンス「グリア細胞が先導する脳機能」では、教室員の皆さんが大活躍し、大学院の久保田君は若手優秀発表賞を受賞いたしました。他にも面白い芽、もうすぐ収穫できるところまで来ている研究が沢山あります。本年は、これらの研究成果を魅力ある報告として確実に論文化したいと思います。

冒頭に記載しました能登半島地震が起きたとき、私はちょうど初詣で長野の善光寺におりました。古い本堂は壊れるかと思うくらい大きく揺れました。しかし実際には、善光寺の被害は皆無でした。長きにわたり、自然の猛威や人災を耐えてきた「本物」の強さとたくましさを感じました。このように、今後の長いサイエンスの歴史に凛として残る成果を残していきたいと思っております。

本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。

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