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ご挨拶

薬理学講座 教授
小泉 修一

 

 薬理学講座のHPにようこそ。私たちは「グリア細胞」という特別な脳細胞に注目して脳の機能や疾患を明らかにすることを目指しています。脳は一千億もの神経細胞から構成され、これらが複雑なネットワークを作ることで機能しています。しかし、脳には神経細胞の数倍ものグリア細胞が存在し、グリア細胞が神経細胞とさらに複雑で絶妙な情報をやり取りすることで、情報の処理・発信が行われ、記憶、学習、うれしい、悲しい等の脳機能が実現することがわかってきました。グリア細胞は非常に敏感な細胞で、感染、外傷、疾患、加齢等により脳内外の環境が変化すると、素早く大きく・多様に変化します。従って、種々の脳疾患や加齢による脳機能の異常低下は、グリア細胞の機能変化が引き金となり、グリア細胞に先導される形で発症・進行すると考えられるようになっています。またグリア細胞は、脳と末梢臓器とのインターフェースとして機能し、全身を制御する要の細胞として機能していることもわかってきました。グリア細胞が発見されて百数十年がたちますが、グリア細胞の役割に注目が集まったのは21世紀になってからです。私たちは、グリア細胞‐神経細胞の機能連関に注目することで、メカニズムがわからない種々の脳機能、さらに原因が不明で治療法が無い種々脳疾患治療に直結する研究を行っています。

 脳研究分野では、グリア研究者数はまだまだ少なく、研究の歴史やその蓄積においても、神経細胞研究にはまだまだ遠く及びません。また、私たちだけで出来ることは限られています。このHPからグリア細胞に関する様々な最新情報を発信することで、少しでも多くの方、特に若い研究者にグリア細胞の面白さ・重要さを知っていただければと思っています。グリア細胞に注目することで、21世紀の脳科学、脳の医学が飛躍的に発展すると考えています。

山梨大学大学院総合研究部医学域薬理 / 山梨大学医学部薬理

 

 

【年毎のメッセージ】

  • グリア
  • Glia
  • ニューロン
  • Neuron
  • 脳疾患・眼疾患
  • Brain diseases・Eye diseases

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