2021
昨年はまさに激動の年でした。新型コロナの脅威、コロナ禍によるこれほど大きく急激な変化、また長期間にわたる影響等々、まさに予測不能でした。不測の事態に対応する自身の能力も、社会の能力も、思い知った一年にもなりました。本年も年初から感染拡大が続いており、まだまだ予断は許しませんし、さらなる変化、さらなる対応が必要になってきます。ただ、一年余に及ぶ新型コロナとのお付き合いを経て、少しは付き合い方も解ってきました。またこのような時代だからこそ見えてきた、本学や日本の素晴らしさも見えてきました。負の側面は確かに大きいのですが、コロナ禍を切っ掛けに変化したしたことで得られたポジティブな側面も少なからずあります。薬理学講座でも、コロナ禍を機に色んなことが変化いたしました。日々の活動様式を変化させながら、学術の変革をも実現したいと思っています。
一昨年活動を開始した「学際的脳‐免疫研究センター(YiBIC)」は、本年4月より全学組織に展開する「GLIAセンター」となる予定です。これまでの医学部に閉じた活動から、山梨大学及び山梨の地に波及するセンターへと変化し、本学から大きなうねりを世界に発信する中心組織を目指して活動を始めます。まだ準備段階で開始前にやることが山積ですが、この変化を大きなチャンスと捉え、本学から魅力的な成果を発信するセンターを目指して全力を尽くしたいと思っております。私自身、新しい挑戦の機会が得られたことを大変光栄に思い興奮しています。初心に戻り真摯に活動していきたいと思います。
一昨年、昨年と「サイエンス・ファースト」を掲げて来ました。相変わらず山のように降りかかってくる学内外の日々の業務になかなかこの目標を達成することが出来ていません。しかし、コロナ禍を切っ掛けに何か少し吹っ切れた思いがでてきましたし、変化できる気持ちになって参りました。今年は、「本年こそはサイエンス・ファースト」でいきたいと思います。
コロナ禍で本当に厳しい時間を過ごしている皆様が多いと思います。私達に出来ることは限られていますが、サイエンスの重要性を学生諸君及び社会の皆様に伝えること、基礎医学分野で成果を出すことが最大の使命であると再認識して精一杯活動していく所存であります。本年も薬理学講座をどうぞよろしくお願い申し上げます。
山梨大学大学院総合研究部医学域薬理 / 山梨大学医学部薬理 薬理学講座 教授 小泉 修一