2020
令和最初の新年を迎えました。昨年は、平成と令和、2つの時代を跨いだこともあって、何かとても慌ただしかったように思います。本学では、「学際的脳‐免疫研究センター」が作られ、新しい時代を牽引する研究が開始されました。個人的にも大きな変化やイベントがありました。これを機に、私自身も初心に戻りまた新しい挑戦を始めたいと思います。
年齢を重ねるにつれて、これまでとは全く質のなる仕事が増えてきます。昨年は特に増えたような気がします。そのこと自体は加齢に伴う正常な状況、ということで喜ばしいことなのかもしれませんが、その分、時間との付き合い方が大きく問われます。昨年の本稿に「サイエンス・ファースト」と書きました。気持ち的にはサイエンス・ファーストでしたが、日々の細々とした締め切り・ファーストであることが多かったように思います。今年は「サイエンス・超ファースト」でいきたいと思います。
また「働き方改革」は研究者の世界でも同様です。いたずらに長時間労働を良しとする風潮は大いに改める必要があります。一方で研究は作業ではなくて作品作りであると思っています。研究者は芸術家やプロスポーツ選手に似ていると思います。「極める」必要があって、それには「働く」とは重ならない部分が多くあります。あらゆる工夫と、時に際限ない時間・エネルギーが必要になります。そうは言っても働き方改革。研究者としてどのような工夫をしたらよいのかを、真剣に考えるときになったと感じています。
繰り返しになりますが、令和を迎え、初心に戻って研究に臨んでいきたいと思っています。本年も薬理学講座をどうぞよろしくお願い申し上げます。
山梨大学大学院総合研究部医学域薬理 / 山梨大学医学部薬理 薬理学講座 教授 小泉 修一