2018
2018年を迎えて
毎年新年ぐらいは、といつも研究の長期的展望について考えます。半分酔っ払った勢いもあって良い考えが色々と浮かぶのですが、実際にいつもの毎日が始まると多くを忘れてしまい、日々の細々とした仕事ばかりに時間とエネルギーを使いがちです。時には、ゆったりした時間を少量のアルコールとともに過ごすことは、研究にとって必須なのだと改めて思います(私にとっては、ですが)。昨年の本稿に、「最も頭を使うべきはサイエンスであることを改めて肝に銘じ」と記載しましたが、なかなかうまくいきません。本年はサイエンスの優先順位をきっちりとキープして活動する予定です。
薬理学講座を主催して12年目を迎えました。着任以来ずっと行って来た行事の一つに、新年の書き初めがあります。小学校みたいな行事ですが、全員が筆を握って神妙な顔で、研究について、人生について、考えて文字にする作業は素晴らしく、得るものが沢山あると思っています。小学校といえば、昨年、生まれて初めて小学校で講義をする機会を頂きました。好奇心いっぱいの彼らの姿をみて、サイエンスの本当姿を改めて教えられたような気がします。いろんな人やモノから教えてもらうことばかりです。
このような良い伝統は守りつつも、研究では常に何か新しいこと、これまでと違うことが求められます。根っ子を変えるわけではありませんが、常に変化を見究める目が必要と思います。山梨発の良い仕事が沢山出るようになりました。でも変わる必要があることを肝に銘じていきたいと思います。本年もどうぞよろしく御願い申し上げます。
山梨大学大学院総合研究部医学域薬理 / 山梨大学医学部薬理 薬理学講座 教授 小泉 修一